先日の記事では、体外受精の流れについてと、初めての採卵が無事終わり結果待ち、というところまでご紹介していたかと思います。
体外受精の結果発表
採卵で採れた卵子の数は17個。
そのうち約半分の8個を体外受精、残り半分の9個を顕微授精に回し、受精卵がいくつできたか・・・ドキドキしながら診察に向かいました。
診察は受精処理3日目なので、受精卵になったものが初期胚として細胞分裂を繰り返している時期です。
結果はこちら。
・体外受精でできた受精卵の数 0個
・顕微授精による受精卵の数 7個(すべてグレード3)
※もともと未熟卵が1つあり処理は8つしか行えなかったそうです
ん?いま、0個って言いました?
示された報告書を二度見しました。
精液の所見も今までの中で最も良い数値だったし、決して運動率が悪いとか目立った問題はないのです。
だからこそ、体外受精で半分トライしたはずです。
なのに、卵子と精子の出会いの場を作っているのにもかかわらず、一つも受精しなかったとは。
これは結構ショックでした。
でも、おかげで顕微授精はきちんと処置をしていただいて8分の7個が細胞分裂中と生きている。
グレードもすべて3、特別良いものは一つもないけれど、無事生きていてくれればまずはそれで十分。
なお、細かい話ですが報告書には細胞がいくつまで分裂しているか「N細胞期」という数まで書かれていました。
聞くと、今は3日目だから8〜10くらいが普通で、早くても遅くてもあんまり良くはないというようなことを教えていただきました。
私たちの受精卵は8、10、11、14と少し前のめりに進んでいたので(笑)ちょっと心配。
そしてこれからどうするのかというと、胚盤胞という状態まで細胞分裂が進んだものが移植用に凍結されます。
この胚盤胞まで細胞分裂が進むのに5日ほど培養が必要だそうです。
というわけで後2日ほど育てて、きちんと育ったものを取っておくと言うことですね。
受精卵の中で胚盤胞になるのは統計上約4割と言われたので、7個の4割で2、3個。
17個も採ったのにな・・・と少し悲しくなりましたが、きちんと生きているタマゴたちがいるだけでも幸せなことです。
無事を祈って応援するしかない。
その結果はまたしばらく先、次に生理がきて移植のスケジュールを立てるときまで待たなくてはなりません。
うーん。しばらくまたドキドキの日々が続くなあ。
受精障害という言葉を知る
帰り道に私が考えていたのは、体外受精でできた受精卵の数 0個という衝撃についてでした。
卵子も精子も違いが出会うためにいるようなものだと思っていたのに、どうして?と正直全く理解ができなかったのです。
わざわざ出会いの場に連れて行っても何も起こらないとは……。やる気ないのかなと(苦笑)
顕微授精は、いわば食べ物を箸で口元まで、いや口の中まで運んで食べさせてあげる作業です。
もちろん施術の腕も必要でしょうが、それで受精卵ができたのだから、その能力を持っていないわけでもないはず。
悲しいとかじゃなくて、ただただ不思議で「失われた半分の受精卵、勿体無かったな」なんて感じながらとぼとぼと歩きました。
歩きながらググったら、やはり同じような方がいらっしゃいました。
夫婦ともに何も問題は指摘されていないけれど、体外受精で受精卵ができないというお話。
どうやら「受精障害」というものがあるんですね。(後日、先生にも伺いました)
これも原因は結局わからないそうです。
普通はこの状態で8割受精するはず、という情報もあれば、受精する確率が25%を切ると障害というという情報もあり
正確なことはわかりませんが、まあ0個なんだから0%。
これ一回で決めつけるのはどうかとは思いつつも、今後はその傾向を仮説に組み込んで考えるべきだろうと感じました。
受精障害があるとわかったことが幸せなのかもしれない
ここでふと思ったのです。
「受精障害」という言葉、私はいま初めて知ったよねと。
こういう事態を想定していなかったから驚いてしまったけれど、決して珍しいことではないのだと思います。
でも、これまでのタイミング法や人工授精では、自分にその傾向があるなんて知る由もありませんでした。
そして、それを知らずに毎月1回の人工授精に繰り返しトライしていたとしても結果は出なかったのではないでしょうか。
仮に8回人工授精を繰り返しても、毎月生理がきて悲しい思いをして、ひとつ歳を重ねていたんだと思ったら怖くなりました。
失われた半分の卵子は、たしかに勿体無かったけれど、大事なことを教えてくれたと思えるようになりました。
しかもほぼ半分は受精卵が残っている。
あと2日、いくつのタマゴが耐えられるかな、と思いつつも運を天に任すしかないと、心の整理ができました。
胚盤胞ができました。結果はなんと!
結果は、治療を知る家族にも報告しました。
義両親や母にもあたたかい言葉をかけてもらい、もちろん感謝しているのですが、意外と効いたのが妹たちの励ましでした。
二人の妹はそれぞれ一男一女の母なので、家庭人としてはもはや私の先輩です。
LINEでのやり取りですが、次女からは「しばらく7個のタマゴを神棚に飾って寝るよ」というメッセージ。
三女は、私の名前の一字と子を合わせた名前をつけて、「頑張れ◯子」と。
そうだよね。
統計で4割だから生き残るのは2、3個かなとドライに考えていた方が自分もラク。期待はしすぎないようにしたいけど、せっかく生きてる7個のタマゴはみんな応援してあげないとね。
と、ハッとさせられて、妹たちのやさしさに感じ入りました。
それから祈りつつも、結果待ちの間、なるべく神経質に考えすぎないようにして生活していました。
GWを挟んだこともあり、札幌へ帰省したり北海道内を旅行したりと盛りだくさんです🎵
そして2週間後の診察、胚盤胞の結果を聞きました。
なんと・・・・7個全部生きてたのです!
胚盤胞のグレードは胚盤胞自体の成長度合いと胎児になる細胞の状態と胚盤になる細胞の状態と3つを組み合わせて
みるのですが、かなり状態の良いものもありました。移植にはこの状態の良いものから使っていくそうです。
やったー!!
飛び上がるほど嬉しいとはこのことです。
そして、移植日のスケジュールを作ります。
幸い卵巣の腫れなどはおきませんでした。
ピルで周期を整えて、整理が来てから内膜を厚くする治療を行い、十分に子宮の準備が整ったところで移植、となります。