妊活奮闘記

妊活の第四段階:人工授精にかける日々と不意に訪れた体調不良(2015.8〜11)

4回のタイミング療法が実を結ぶことなく、次のステップ「人工授精」に進むことになりました。

それにしても人工授精って名前からにじみ出る「人工」感が半端ないですよね。
私の最初の印象は「なんかやだな」でした。
きちんと説明されないと、とりあえず拒絶したい気持ちになるのは普通の反応だという気がします。

人工授精とは?処置と毎周期の流れ

人工授精では、排卵直前の時期に、採取した精液を洗浄濃縮し細い管を使って子宮の奥に入れる処置を行います。
子宮の中に確実に精子が入るということから、それが問題であった場合の対策としては有効ですし、精子も洗浄濃縮による選抜メンバーなので、その後の活躍にも期待したいところ。
子宮の中まで精子を運ぶ処置が「人工」と言われる所以だと思いますが、我が家の場合、頸管粘液不全ではなかったので、
精子が元気よく旅をしていけるように手助けしてもらったという感覚でした。

流れとしては以下のような感じです。

・タイミング療法と同じように排卵日を予測(卵胞を育てるのにクロミッドを飲み、通院時に注射)。
・排卵日に合わせて精液の採取を行い、クリニックへ持参。
※私たちの場合は朝イチ自宅で採取(専用のケースを渡されます)したものを1〜2時間後くらいに受付で渡す形でした。
クリニック内で採取ができるように専用のスペースが用意されている場合もあるようです。
・病院で指定された日付(だいたい当日の朝)に排卵を誘導する「プセレキュア点鼻薬」を鼻にプシュッ。
・クリニックで精子の洗浄濃縮を待ち、子宮の中へ運ぶ処置を実行。
・後日、排卵の有無を確認、着床を促すためルトラールを飲む。

残念ながらこの後毎回生理が来てしまったわけですが……

ちなみに人工授精からは検査や前の処置も全て自己負担になります。
人工授精当日の処置費用は2万円台前半、それ以外もひっくるめると(通院回数でやや変わりますが)毎周期6万円〜程度でしょうか。

排卵誘発剤による副作用

不妊治療を開始して以来、排卵日に向けて低温期にクロミッドを処方され、直前には注射も行っていました。
多嚢胞性卵巣症候群ということもあり周期に関わらず、毎日漢方薬も飲んでいました。

治療が始まって数ヶ月、人工授精も1回終えた8月ごろのことです。
最初は夏バテかと思ったのですが、どうも体がだるくて下腹のあたりが痛みました。
もともと生理痛も気にならない程度だったので
「ちょっと敏感になってしまっているだけかな?」
と思い過ごそうとしたのですが、ピリピリチクチクと痛みます。

受診した結果、卵巣が大きく腫れていました。明らかにエコーで見られる卵巣の様子が違うのです。
安静を命じられましたが、9月に向けて仕事もかなり忙しい時期と重なっていたため、仕事に行かないわけにもいきません。
とりあえず腰を捻ったり過激な運動はしないように心がけましたが…意外と気になる痛みです。
この卵巣の腫れはなかなかひかず、結局一度ピルを飲んでリセット、腫れが引くのを待って10月以降に治療再開となりました。

振り返ると、排卵誘発剤が過剰だったのではないかと思われます。
普段は7,8日続く生理が5日で終わるようになり、経血も減ってきていました。

先生に話をし、それ以降クロミッドは飲まず注射のみの治療に変更してもらいました。
今のところ、その後の治療で排卵していないことはありませんし、再び卵巣が腫れる事態にはなっていないので、お話して良かったと思います。比較的よくある不調のようで卵巣過剰刺激症候群という名前もあるようです。
不妊治療は決まった作業が淡々と進められていく感じですが、普段と違うことや今まではなかったことなど、体調の異変に敏感でなければいけないと強く感じました。

徐々に現実味を増す次のステップ「体外受精」とためらう私

卵巣も復活し、今度こそ!と意気込んで10月、11月と2回人工授精を試みますが、あえなく轟沈。
そして私は36歳になりました。

先生の治療方針では、人工授精も3回〜6回で結果が出なければ次のステップ「体外受精」へ進むとなっていたはず。
不妊治療という言葉に、具体的に私の何を治療してくれているんだろう?と違和感やイライラを覚えたり、人工授精の「人工感」にビビったりしていた私ですが、もうそれどころではありません。

子どもを授かりたくて治療を続けてきたつもりでしたが、改めて自分の覚悟を試されているような気がしました。
より本格的に子供を作るための医療行為に進むこと。
結局は確率論という治療に大金を支払うこと(お財布事情から受けられる数には限界があります)。
そしてそれを「いま」行うこと。

逡巡した私は夫と素直な気持ちを話し合います。
そして私が進んだ次の道は……

第5段階に続く