妊活奮闘記

不妊治療に踏み切るべき?1年続けたいま、思うこと

私はいま36歳です。1年ほど前から不妊治療を続けています。

不妊治療。
今でこそさらりといえるようになりましたが、最初はすごく抵抗がありました。
不妊に悩み情報は集めているものの、なかなか踏み切れないと言う方、実は多いのではないでしょうか。

この一年続けてきたことと、実際に取り組んでみて思うことを素直に書いてみます。
まだ道半ばではありますが、イチ体験談として、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

他人事だった不妊治療を始めるまで

そもそも私が不妊治療に抱いていたイメージは、
自然に授かるものを医療の力でなんとかする不自然なものであり、婦人科系の病歴などにより妊娠が難しい女性が、子どもを授かるように病院で治療を受ける……という限定的な治療、というものでした。
(注:あくまで個人のイメージです)

ええ、いろいろと間違ってます。

不妊治療は想像以上に身近な問題であり、大勢の方が取り組んでいるものでした。

私の場合、結婚するまで子どもへの関心が一切なく、子どもを持つイメージをしないまま
三十路へ突入していたので、その手の情報を積極的にインプットすることなく過ごしてきました。
正直な話、他人事だったのです。

そのため、健康体だと勝手に自負していた私は、

・不自然だよね……それって私にも必要なのかなあ?
・保険が効かないとの噂。結構費用がかかるんでしょ?
・婦人科自体、なんだか恥ずかしくて足が向かない

なんて考えていたわけです。

でも結婚からしばらく経ち35歳が見えた頃、私も焦り始めました。
手順には則っているはずなのに妊娠しないぞと。

いまは不妊や妊活に関する情報サイトがたくさんありますよね。
きっと私がここで書くまでもなく、体にいい食べ物、サプリ、不妊治療の内容や費用、専門医の口コミ・・・皆さんも色々と調べていらっしゃるでしょう。

同じように私も情報収集をはじめて、ようやく不妊が自分ごとになりました。
知れば知るほど焦る材料しか出てきません。
でも自分の人生に「妊娠」の可能性を滑り込ませたからには、ひとつずつ自分で納得して進みたい。
そのためにまず大事なのは課題を把握することだと考えました。

通院の始まりは原因調査だったのです。
不妊治療を受ける決心をしないまま通院することはオススメしませんが、なんだかんだと言いながらも1年間続けてきています。

妊活の軌跡

原因調査のための通院とは言ったものの、その前段階でも色々と試してみました。
これまでの軌跡を段階に分けてみると、ざっくりこんな感じでしょうか。

第一段階:仕組みを理解しつつタイミングを重視(結婚後半年間)

新婚さんですからなんとなく仲良しの機会はあるもののタイミングは意識していました。
基礎体温をつける習慣を身につけました。

第二段階:自分なりにタイミングを極める(第一段階以降、半年間)

焦り始めたころです。
毎回そのタイミングを無駄にすまいと排卵検査薬を買って夫にも協力してもらいました。

第三段階:専門医に診てもらって取り組む(1)(2015.4〜8)

何が悪いのかと悶々と悩む日々が辛く、原因調査のために検査を受ける決心をしました。
その流れで諸々の検査とともに不妊治療が始まりました。
先生の治療方針によりタイミング療法で経過をみます。

第四段階:専門医に診てもらって取り組む(2)(2015.8〜11)

はっきりした原因がわからず結果が出ないことに悔しさと虚しさが募り、一度は拒みましたが納得して人工授精へステップアップ。
ただ投薬の影響で卵巣が腫れるアクシデントに見舞われます。一時期、治療を中断。

第五段階:自分で他にできることがないか考える(2015.12〜2016.2)

人工授精を再開したものの、生活改善など根本治療で結果につながることがないかに関心が高まり、一度通院をお休みしました。情報商材にも手を出しつつ、生活のスタイルを見直しました。
ストレスから解放するため、思い切って会社を辞めたのもこの時期。

第六段階:専門医に診てもらって取り組む(3)(2016.3〜)

生活も落ち着き、結果がでる可能性のあるものに取り組みたいという気持ちが自然に高まってきました。
体外受精も視野に入れて治療のプランを考える時期に来ています。

不妊治療に踏み切ってみた感想

実際に取り組んできて色々と思うことはあります。
治療方針は先生にも依存しますし受け取り方も人それぞれかと思いますが、私が感じたことを述べます。

メリット

(1)検査により妊娠の可能性について知ることができる
病気や感染の検査だけでなく、自身の卵巣年齢や旦那様の精子の生殖能力や相性など、その夫婦が妊娠できる可能性について様々な検査で調べられます。
(2)超音波検診を見ることができる
子宮や卵巣の様子など毎周期の経過をしっかり確認することができるので説明を理解しやすいです。目に見えるというインパクトは大きいです。
(3)みんな同じだと思える
不妊治療の専門クリニックには、想像以上に多くの患者さんが通っています。
特別なことでも恥ずかしいことでもない、同じ悩みを持つ人はたくさんいる!という当たり前のことに気づかされます。

デメリット

(1)時間の拘束が激しい
私の通っているクリニックでは、予約優先制ではあるものの混雑がひどく、超音波診察(3分)と注射(3分)程度の内容で会計まで1時間半かかったりします。
朝イチの予約でも通院後出社すると午後になります。
私は月に平均3,4回通院していたので、ほぼ毎週出勤時間への影響が出ました。
同僚や上司の理解を得ることが悩むポイントになる方も多そうです。

(2)費用はかかります!
検査は一部を除いて自己負担のものが多い印象です。
タイミング療法の段階では健康保険適用される治療もいくつかありますが、人工授精のステップからは完全自己負担です。
参考)
人工授精の処置は20,000円台前半ですが、諸々あわせて一周期の費用負担は70,000円程度。
確定申告で申請した年間の不妊治療費は300,000円程度でした。

(3)つい、期待しすぎてしまう
これぞ”不妊治療あるある”でしょう。
毎周期生理が来るたび「こんなにがんばってるのに今回もダメだった……」とガックリきます。
私の受けている治療も妊娠を少しでも手助けするという趣旨のものですし、不妊治療している人はみんな同じようなことをやっているわけで。

特別でもなんでもないのに時間とお金を掛けて四六時中そのことを目いっぱい考えて生活しているとダークサイドに陥りやすいのです。当然、毎度落ち込んでいる姿を見せられるパートナーにもいい影響は与えません。

検査など自分だけでは見えない部分に目が届くという意味では、軽い気持ちで受診する勇気は持ってもいいと思います。

ただ、納得感は大事じゃないでしょうか。
突き詰めると確率論なので、主治医との信頼関係とかそういう類の話ではなさそうな気がします。
その周期に治療をすることに自分自身が納得していないと続けていても不安が募るだけです。
なんとなく病院の方針に流されているだけのような気がして違和感を覚えたり、今は素直に向き合えないと思ったらお休みするのも一つの選択でしょう。

なかには「効率考えるとステップ踏む意味はない。医療行為として体外受精をすみやかに行うべし。」と言い切る先生もいらっしゃるとか。
患者さん固有の事情にもよるのかもしれませんが、決心がかたまっている人はもっと踏み込んだ相談を先生としてもいいのかもしれません。

各段階での治療の内容や私自身の悩み、考えてきたことについてはまた別の機会に筆を取ろうと思います。