妊活奮闘記

体外受精のリアル:胚盤胞移植から着床判定まで

前回の更新からだいぶ日が経ってしまいました。
準備を進めてきた通り、6月10日に胚盤胞の移植を行いました。

凍結していた胚盤胞を融解し、アシステッドハッチングで前処理

最初に選ばれた胚盤胞はグレード4AAととても良い状態です。
移植施術のとき、アシステッドハッチングで着床しやすいように前処理をされたときの胚盤胞の写真を見せてもらいましたが、確かに周りの細胞も整っていて、胎児と胎盤になる部分がきれいに分かれて見えました。

採卵したときと同じように施術台に乗ります。お小水を貯めてくるのがポイント。
お小水の量が足りないと子宮の中がよく見えないとのことで、一度練習で貯め過ぎと言われた私は、ちょぴっとだけ事前に出してしまったので、やや足りないくらいだったみたいです。
看護師さんにお腹をぎゅうぎゅう押し付けられながらの作業となりました。
今思えば押す方も結構な力が必要だと思います。私が直前に余計なことをしたばっかりに・・・なんて思っているうちに、先生はカテーテルで目標地点にたどり着き、胚盤胞を設置します。

流れがモニターでなんとなく見えていたので、これで終わりかーと思ったそのとき、
抜いたカテーテルの中を調べて「あ、ここにまだ入ってる」という先生の発言。
それも手順の一つという感じで確認していたので、きっとそんなこともよくあるんでしょう。
再度トライし、間違いなく目標地点に胚盤胞を置いてきて施術終了。

採卵のときのように痛いということもなく(上から押されてるお腹はともかく)スムーズに終わりました。

着床判定日まで日常生活を過ごしつつも禁酒を始める

着床判定日は6月21日となりました。

それまではごく普通通りに生活していて良いと言われましたが、「胚盤胞を移植している以上、いつ着床するかわからないし!」と期待を込めて、早々に断酒を始めました。
厳密に言うと、移植後5日で友人との食事の際に乾杯でシャンパンを飲み、それをラストにしたのです。

この期間から、毎日のお薬に新顔が登場。
これまでの貼り薬(エストラーナ)や飲み薬(ジュリナ)に加えて、膣錠「ウトロゲスタン」が1日3回分で処方されたのです。
膣錠ってなんだろう?と思いましたが、その言葉のまんまなんですね。
膣の中に入れるカプセル状の薬。
正直、毎日朝・昼・晩と自分で膣の中に指でその薬を押し入れるという作業は何回やっても快適とは言い難いものです。
黄体ホルモンを補う重要な薬ですが、いかんせん液体を閉じ込めたカプセル。
溶け出てくる液体で下着を汚さないように、おりものシートは必需品です。

その他あまり意識せずに過ごしていたつもりですが、判定日の数日前から風邪のような鼻水・微熱が出てきました。寝ていないとダメと言うほどのしんどさでもないので薬も飲まず、私は妊婦(かもしれない)だ!という気持ちで無理しないうように過ごしていました(笑)

着床判定の当日。

この日は午前中仕事があったので、職場からの帰りに立ち寄っての検査になります。
具体的にどのように判定するかも聞いていなかったのですが、行くとまず採血をされます。

これでHCGという値がどの程度かで、化学的に妊娠を判断できるというわけです。
いわゆる妊娠検査薬も同じようにHCGの値に反応して表示を出しているものだそうです。

1時間でわかると言われたのに1時間経過しても呼ばれない。
仕事ができるようパソコンも持ち歩いているけれど、正直そんな気持ちなれなくてただぼーっと座っていました。
1時間半以上経ち、ようやく私を呼んだのはあまりこれまで縁のなかった看護師さん。

彼女の表情を窺ったが特段笑顔はなく、ニュートラルな様子。
ねえねえ、どうなの?とはやる気持ちを抑えつけながら椅子に座ります。
すると彼女が口を開いて、
「今回の検査の結果ですが…陽性です。妊娠しておられます。HCGの値も456としっかりでているので間違いありません」と。
一瞬目の前が揺らぎました。良い知らせと悪い知らせと両方に体が備えていたんでしょう。
なんとなく良いこと言われた感がすぐにわからなくて「ショック!!」という反応がでてしまったのだと思います(笑)。

でも、でも、ほんとに妊娠してるんだ!
とようやく分かった瞬間、口をついてでてきたのは「よかった・・・」という小さな声でした。
よっしゃー!というような歳でもなければキャラでもないし、他にも大勢通っているクリニックの中での面談。うっかり聞こえたら、と思うと気を遣います。

それでもにやけた顔を隠しながら注射を打ち、その日は終了となりました。
移植日が2週5日目というカウントなので、今は4週2日とのこと。
いつ流れてしまうかもまだわからない時期、とにかく無理はせずに自分の体と向き合おうと心に誓いました。

不妊治療からの卒業は9週を無事に迎えられたら。
あと1ヶ月、超初期の状況をしっかり見守られながら今度は出産に向けた活動にシフトしていくことになります。

自分なりの仕事や生活のスタイルを一つ一つ選んできたこの1年半。進んできてほんとうによかった。
しがみついてくれたこの子を大事に育てていきたいと思います。

今後もチビちゃんの成長を少しずつ記録していきます。